年号 2023年3月号

「令和」と言う元号は「初春『令』月 氣淑風『和』」と言う漢詩からとったそうですが、太宰府長官として博多に赴任していた大伴旅人(万葉歌人大伴家持の父親)の館で開かれた梅見の酒宴で歌われたもので、同じく筑前守(福岡県知事)として赴任していた山上憶良の作と言われています。山上憶良と言うと、「貧窮問答歌」をはじめとする庶民の暮らしに寄り添った社会派歌人として知られますが、実際は遣唐使、国司を歴任した今で言うと高級官僚なのでした。国家体制もいろいろですが、日本には千年以上前から国政を担う人材にも民百姓の暮らしに寄り添う人が居て、花鳥風月の移ろいを言葉で描写して来たのですね。そして千年以上の時空を超えて、今や世界中で日本に残るだけになってしまった元号に採用できる文化に誇りを持ちたいと思っています。

花

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